近況
海外展示に出すのをやめる代わりにプロの画家が開いている絵画教室に通うことにした。
正直なところ絵画教室という響きに忌避感は無くはなかったが、技術の引き出しを増やしたいのと、講師のブログを見る限り思想について自分の中で特に衝突する部分がなさそうだということで決断した。
(決断とは言うものの、2ヶ月近く悩んでしまったが…)
とりあえず一度見学に行った感じだが、悪くない。
講師の方針もあるが、なんとなく道楽で絵をやってみましょうという感じではなく、他の生徒の人も方向性は違えど真剣な場だったし、何かしら文化に興味がある人々の集まりだろうという印象はあった。
少なくとも、労働先での個を押し殺し、機械のように淡々と日々を消化していくあの虚無的な精神の有りようとは大違いにふるまえたように思う。
講師と話が合ったのが良かったかもしれない。
偶然にも互いにプログレッシブロックが好きだということで少々盛り上がった。
プログレのことを「閉じた世界で何かを追求して追求して、その果てでついにスパークを起こしたようなエキセントリックさがある」と評していたのが印象的だった。
また、私の絵にもどこかそのようなところを感じるとも。
そういえば、絵の当初の動機はプログレに触発され、創作をただ吸収するだけでなく何かしらの形で世界に創作を還元したいという、そのような感じだった。
今はプログレはそこまで聞いていないし、当時の創作に対する呆れるほど殊勝な気持ちは露ほどもなく、そして動機(果たして明確にあるのかも疑わしい)は完全に変質してしまった。
とはいえ、その精神性みたいなものが私に爪先ほどの何かを残しているのかもしれないと思うとこれは少々感慨深い。
というわけで、しばらくは修練です。